少しタガのはずれた絵日記


by oka002
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傷心の貴公子、花に酔う 『保名』

いきなりですが、今日は何の日だったでしょうか。
え?ホワイトデー?ここをどこだとお思いで?
そういうロマンチックな筋とは無縁のブログですよ。

そのとおり、片岡仁左衛門丈のお誕生日ですね。
私も一昨昨日まで忘れてましたがヽ( ・∀・)ノ┌┛ガッΣ(ノ`Д´)ノ !!!
本日はこの季節にもぴったりな演目と共に、かの人を賛嘆したいと思います。

片岡仁左衛門さんと言えばご存知のとおり、端正な容姿に美声の持ち主。
ベテラン俳優でもあり、当たり役も数多い方ですね。
芝居でも踊りでも、きちんと整った所作でありながら、京男らしいまろやかさが魅力です。
a0063926_23364082.jpg中でも2001年だったかな?に録画した『保名』は私のお宝映像でございます。
←これが仁左衛門@保名だ!参考資料

これは恋人に先立たれて発狂した男の舞。
蝶に導かれて登場する花道の出から、桜と菜の花が咲き乱れる舞台での踊りと、瞬きする暇も惜しいほどの美しさなのですよ。




   
   
さばき髪に片袖を脱ぎ、形見の小袖を肩に掛けた保名が花道上で蝶と戯れる。
悲しみをたたえつつも心ここにあらずといった表情。
やがて、手が3本あるのか!?と言いたいほど絶妙な動きで扇が開かれます。
恋人を思い出して涙する保名。
手の先に蝶が止まったのに気づいて追い払う所作が可愛い。

舞台に来て一周するうちに小袖が肩から滑り落ちます。
保名はこれに構わず、恋人との楽しい逢瀬を再現して舞い続けますが、その間にも悲しみが波のように襲ってきます。
清元の不安定な、漂うような曲調が恋の狂気を見事に表しております。
そのうち小袖がなくなっているのに気づき、慌てて探し始めました。
傍らに落ちているのを見つけ、無邪気に喜ぶ仕草がいっそう哀れです。
終盤、「夜さの泊りはどこが泊りぞ」から、リズミカルでうきうきと楽しげな踊り地。
小袖を高く掲げて意気揚々とした直後に再び暗転、恋人の姿を求めて泣き沈む。
何とも優美で感傷的な幕切れです。

この舞踊、後に坂東八十助(現三津五郎)さんの映像でも見る機会がありました。
こちらも颯爽としていて大変きれいだったのですが、さすがに江戸前と言うか仁左衛門さんに比べ動きがきびきびし過ぎかなと思うところも…。
いずれにせよ、生涯見ずに過ごすのはいかにももったいない。
劇場なりテレビなり、機会を捉えて是非ご覧ください。くれぐれも貧血にご注意( ̄ii ̄)
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by oka002 | 2006-03-14 23:33 | 世界は舞台 人生は花道