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少しタガのはずれた絵日記


by oka002
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白河夜船

「何もわからずに寝込んでしまうことをいう」
           『暮らしの中のことわざ辞典』 (折井英治・編 集英社)

昨日「漢字バトン」やったからまた四字熟語を…というわけでもないのですが。
子供のころ愛読書の一つであったこの本によると

「京見物をしないのに、したと吹聴している人に、白河のことを聞いたら、
川の名だと思って、夜船で通ったから知らないと答えたという。 
                         出典:醒酔笑(せいすいしょう)」

のだとか。今風に言えば

東京に行ったこともないのに、さも行ったかのように吹聴して
「いやあ~さすが東京だね。東京ナンバーの車がビュンビュン走ってたよ

といったようなものでしょうか。
…前世紀までの私なら、これでも騙せたでしょう。
いやはや年をとると初々しさの欠片もなくなってしまってこう…□●*&△$◎○#

さて、この白河ではありませんが、
漢字学の大家・白川静先生をご紹介したいと思います。
この方の著作に触れると、二次元の文字が突然リアルな三次元世界に豹変します。
漢字を生み出した古代中国の暮らし、中でも祭祀の様子が生々しく現前するのです。
太古の人々の息遣いや体温まで感じられるほどです。
異世界というには余りに身近な、遺伝子に組み込まれた記憶が蘇るかのような不思議な感覚を味わえます。

白河夜船_a0063926_21545412.jpg先生はすでに卒寿を越えられ、膨大な著作をなおも書き続けておられます。
数ある本の中でも導入として、視覚的にも楽しめるこの一冊を。


白川静の世界―漢字のものがたり―』 別冊太陽
by oka002 | 2006-02-09 21:52 | 書物の歓び