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少しタガのはずれた絵日記


by oka002
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これは翻訳業界の奇跡だ 『ナンセンスの絵本』

外国文学、特に詩を翻訳すると、原文のリズム感を伝えきれないとはよく聞かれることです。
その難しさに果敢な挑戦を続ける名翻訳家、柳瀬尚紀さん。
「リメリックの桂冠詩人」リアとがっぷり四つに組み、
原文の意味を崩さず、しかもしっかりと脚韻を踏んだ形で訳出しました。
韻文をここまで正確に訳せるものか!?の抱腹絶倒作です。

これは翻訳業界の奇跡だ 『ナンセンスの絵本』_a0063926_21323928.jpg
変なおじさん好きな方必見のトンデモ紳士録(女性も少数あり)
完訳ナンセンスの絵本
エドワード・リア作 柳瀬尚紀訳 岩波文庫





とぼけた詩にはリア自身による強烈なイラストが添えられています。
扉絵の一句はこんな具合。

ロンドンデリーのあるおじさん
いつも子供に笑いを持参
それそれ本を書いたわい
すると子供がわーいのわい
笑いがなければ作家を辞さん

There was an Old Derry down Derry
Who loved to see little folks merry;
So he made them a Book,
And with laughter they shook,
At the fun of that Derry down Derry!

図書館で初めてこれを読んだときには、笑いをこらえるのが大変でした。
もともとはほるぷ出版から絵本で出たのですが、その後ちくま文庫に収められました。
ちくま文庫版が絶版になり、残念に思っていたところ今度は岩波文庫で刊行されたのです。
しかもそれまで収録されていなかった「ナンセンスもう百篇」を新たに加えた完訳版。
グレードアップして再登場です。リアのコアなファンにはたまらない一冊となりました。

この名作を、よしおさん及び「ウマオヤ連」の皆様に捧げたいと思います。←ハ?(; ゚д゚)
by oka002 | 2006-01-25 21:32 | 書物の歓び