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少しタガのはずれた絵日記


by oka002
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すれ違い、ケンカもするけど…

落語には昔の庶民に培われたユーモアが盛り込まれているのはもちろんですが、つましい生活の中にも喜びや悲しみがあり、優れた知恵もあれば細やかな情愛を感じさせるところも随所に見受けられて、心を打たれることもしばしばです。
私の好きな演目の一つに「厩火事(うまやかじ)」というのがあります。次はその一節(要約)。

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年下のご亭主はろくに仕事もせず一日ゴロゴロ。
七歳年上の姉さん女房が髪結いとして懸命に働き、生計を支えています。
しかしある時ついに堪忍袋の尾が切れた奥さん、今度こそ離婚するつもりで仲人の大家を訪ねてきました。
「大家さん、もううちの人には我慢がなりません。あたし一人が汗水たらして稼いでるのに、あの人ったら日がな一日ゴロゴロして…」
「ああそうかい、別れな別れな。あんな道楽者のろくでなしにお前は勿体ないと思ってたところだ。とっとと縁を切っちまうといいよ」
「まあ大家さん、あんまりじゃありませんかそんな言い方。あたしがいなきゃあの人はたちまち路頭に迷っちまいますよ。それにああ見えてもあの人、結構やさしいとこもあるんですよ」
「何だねお前は…不服をいうかと思えばいきなりのろけ出して…。ほんとに別れたいのかい、それとも別れたくないのかい?」
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一見矛盾した奥さんの言い分からは、なんだかんだ言ってもご亭主に心底惚れ込んでるといった趣が見て取れます。
可笑しい中にもどこか胸にしみる名場面だと思います。
こんな人から相談を受けては、仲介者も呆れるほかないでしょうね。


さて、次の二人はどうでしょう。
前回は兄のタカウジーニョ、もとい足利尊氏に煮え湯を飲まされた弟の直義ですが…
  
  



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by oka002 | 2006-07-04 21:19 | FAXのある風景